FAQ(よくある質問) — 相談前に、前提と言葉をそろえるために。
Fragment Practice のサービス全体について、事前によくいただく質問をまとめています。 「人 × AI × メモ・会議・ログ」を扱うスタジオとしての考え方や、個人向け・チーム向け・リサーチ向け メニュー、料金の目安、進め方、AI ツール対応、NDA・セキュリティの前提をここで共有します。
すべてを理解してからでなくてかまいません。 「うちのケースではどうなるか知りたい」「ここに書いていない前提がある」と感じられたら、 そのままの状態でお問い合わせいただければと思います。FAQ はあくまでベースラインであり、 実際のプロジェクトでは一緒に前提と言葉を調整していきます。
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例:料金、NDA、個人向け、Research、ツールを変えたくない など
カテゴリ一覧
よくある質問を 7 つのカテゴリに分けています。気になるところからお読みください。
1. Fragment Practice について
スタジオの役割や、「人 × AI × メモ・会議・ログ」を扱うプロトコル設計/リサーチとの関係についての質問です。
- Fragment Practice は何をしている会社ですか?
- 「人 × AI × メモ・会議・ログ」のあいだに、静かなリズムとプロトコルをつくるスタジオです。単発の“プロンプトの工夫”ではなく、AI 設定・ノート/ドキュメント構造・作業プロトコル・セキュリティ/IT-BCP をひとまとまりの構造として設計します。 Individual(個人)・Team / Organization(チーム・組織)・Research(研究・共創)の 3 ラインがあり、どの場合も「既存ツールを活かしつつ、人と AI の協働のしかたを Fragment(断片)から整えていく」ことを目的としています。
- 具体的にはどんな成果物が納品されますか?
- プロジェクトの性質によって変わりますが、代表的な成果物は次のようなものです。 ・AI ナレッジやルールをまとめた YAML / Prism Config / Protocol ファイル ・役割別のプロンプトセット(企画用・レビュー用・リサーチ用など) ・会議メモ/レビュー/リサーチログなどのドキュメントテンプレート ・「どの場面で・どの AI に・どう頼るか」を示した業務フローマップ ・ChatGPT などに渡す “自己紹介テンプレート” や「うちの前提」をまとめた設定 ・Before / After を比較する簡潔なレポート ・(ご希望があれば)ケーススタディや ZINE としてのまとめ いずれも、「後から読み返して再利用できるテキスト」であることを大切にしています。
2. AI やツールに関する質問
どのサービス・モデルに対応しているか、AI 未経験でも大丈夫か、効果の目安などの質問です。
- ChatGPT 以外の AI やサービスにも対応していますか?
- はい、対応しています。Fragment Practice は AI“サービス”単位ではなく、“構造”単位で設計するため、複数のプラットフォームと組み合わせて考えます。 例としては、OpenAI(ChatGPT / GPT-4o / Assistants API)、Google(Gemini)、Anthropic(Claude)、Perplexity などのモデルに加え、Notion AI・Obsidian・Google Workspace・Microsoft 365・Slack などのツールと連携させることが可能です。 どのサービスを使うかは、現在の環境・セキュリティ要件・予算・IT 部門の方針などを踏まえ、一緒に検討します。
- AI をほとんど使ったことがなくても依頼できますか?
- もちろん大丈夫です。その場合は、最初に「AI 導入の前提整理セッション(60〜90 分)」を含め、現在の業務内容・懸念・セキュリティ方針・禁止しておきたいことなどを整理するところから始めます。 いきなり高度なプロトコルや複雑な自動化を作るのではなく、「ここから試すと無理がない」という一歩目と、AI に任せる範囲/任せない範囲のラフな線引きを一緒に決めていきます。
- どれくらい効果が出るのでしょうか?(ざっくりした目安)
- 業務や人によって変動はありますが、「思いついたときだけ AI に質問している状態(L2)→パターン化された個人利用(L3〜L4)」へ移行したケースでは、次のような変化がよく見られます。 ・アウトプットの質:1.5〜3 倍(ドラフトの精度が上がり、手直しにかかる時間が減る) ・後から再利用できるログの比率:2〜4 倍(チャットが“使えるメモ”として残る) ・AI とのやりとりにかける「無駄な時間」の削減:1.5〜2 倍 あくまで傾向値であり、「プロトコルと構造を継続的に使い続ける」ことが前提になります。Fragment Practice では、“数値だけ” ではなく、「しんどさが減った」「判断が軽くなった」といった主観的な変化も大切に観察します。
3. 依頼前によくある質問
どこから相談すればよいか、NDA や実績、相談の粒度についての質問です。
- どこから相談するのが良いでしょうか?
- はじめての方には、Services ページでもご紹介している「個人向け 2 つのスターターパック」からのご相談をおすすめしています。 ・AI × 仕事の相性マップセッション(5 万円) ・個人のための AI プロトコル設計スプリント(10 万円) まず個人単位のリズムと Fragment(メモやログの扱い方)を整えたうえで、必要であればチームや組織単位へ拡張していく方が、無理なく導入できるケースが多いです。法人からのご相談でも、最初はキーパーソンの個人メニューから入ることがあります。
- 相談内容がまだ曖昧です。そんな状態でも大丈夫ですか?
- はい、大丈夫です。Fragment Practice は「問いの形を一緒につくる」ことも仕事の一部だと考えています。 うまく言語化できていない違和感や、“メモ断片”のようなものをそのまま共有いただければ、それを出発点に構造化し、「今回のスコープ(扱う範囲)」と「次回以降に回す範囲」を一緒に決めていきます。
- NDA(秘密保持契約)には対応していますか?
- はい、対応しています。機密性が高い場合や、AI サービス側へのデータ送信が気になる場合は、プロジェクトの設計段階で「AI に渡さない情報の範囲」「ログを残さないほうがよい情報の範囲」を一緒に定義します。 セキュリティ・IT-BCP 領域の経験を踏まえ、「どこまで記録するか」「どの時点で削除/マスキングするか」といったルールも、NDA の内容と整合する形で丁寧に設計していきます。
- 外部向けの実績はありますか?
- Fragment Practice 自体はローンチ初期のスタジオですが、代表個人としては、大手金融・保険・製造・重工・自動車・小売・運輸などのセキュリティ/IT-BCP プロジェクトや、AI 利用評価・ガイドライン策定案件を多数経験しています。 Fragment Practice 名義では、個人向けのプロトコル設計・リサーチログの編集・企業研修の AI プロトコル監修・パートナー事業でのワークフロー設計など、いくつかのパターンが蓄積されつつあります。公開可能なものについては、Research & Writing や ZINE / ケーススタディとして順次まとめていく予定です。
4. 料金・期間について
料金レンジや期間の目安、見積もりの考え方に関する質問です。
- 料金体系はどうなっていますか?
- 時間単価だけではなく、「構造の複雑さ × 影響範囲 × 再利用性」を軸に見積もります。大まかなレンジは次のとおりです(詳細や具体例は Services ページに整理しています)。 ・Individual:5〜20 万円(相性マップ、個人プロトコル設計、ノート構造など) ・Team / Organization:30〜150 万円(フロー設計・AI 利用ルール・テンプレート一式など) ・Research / Joint Project:20〜80 万円(小規模リサーチ・プロトタイピング・ZINE 制作など) 「長く残る構造ほど、時間あたりの費用対効果が高くなる」という考え方で設計しており、単発のアウトプットではなく、後から読み返せる“背骨”を残すことを重視しています。
- 期間の目安はどれくらいですか?
- 案件ごとに異なりますが、目安としては次のようなイメージです。 ・個人向けプロトコル(スターターパック):1〜2 週間 ・小さなチーム向け設計:3〜6 週間 ・リサーチ/共創プロジェクト:2〜8 週間 「一度きりの大規模プロジェクト」を前提にするより、「小さな期間で試し、必要なら延長する」方針で進めることが多いです。途中で状況が変わった場合の“静かな減速”や中断のしかたも、最初にすり合わせておきます。
5. 実務・進め方について
プロジェクトの流れ・ミーティング頻度・オンライン実施など、進め方に関する質問です。
- プロジェクトはどのような流れで進みますか?
- 規模によって細部は変わりますが、基本の流れは次の 5 ステップです。 1. Premises:前提整理。業務内容・ツール・制約条件・注意点・セキュリティ要件などを共有し、「今回扱う範囲」と「扱わない範囲(次に回す範囲)」を決めます。 2. Fragment Mapping:メモやチャット、既存ドキュメントを Fragment として眺め、どこにボトルネックや重たい部分があるかを可視化します。 3. Protocol Draft:YAML やプロンプト、テンプレートとして、人 × AI のプロトコル案を作成します(Prism 設定・役割・境界条件などを含む)。 4. Review & Edit:実際に数週間使っていただき、ログや感想をもとに調整します。使いづらい部分は遠慮なくフィードバックいただき、構造側を編集します。 5. Wrap-up / Case:最終版の設定やテンプレートを整理し、必要に応じて簡易レポートやケーススタディとしてまとめます。 途中で方向性が変わったり、優先度が入れ替わることも織り込み済みで設計します。
- ミーティングの頻度はどのくらいですか?
- おおよそのイメージは次のとおりです。 ・個人向け:1〜2 回(初回整理+フォロー) ・小さなチーム:1〜2 週間ごとに 1 回(計 2〜4 回程度) ・リサーチ/共創:隔週〜月 1 回(期間とテーマに応じて調整) Slack やメールでの軽いテキスト相談も含め、双方のリソースと生活リズムに合わせて柔軟に設計します。ミーティング自体を増やすより、「メモやログとして何が残るか」を重視しています。
- 対面ではなくオンラインのみの対応ですか?
- はい、基本的にはオンライン(ビデオ/音声のみ)での実施となります。高松・瀬戸内を拠点としつつ、国内外のクライアント・研究者とオンラインで協働しているため、時差が大きくない限り、場所に関わらずご相談いただけます。 対面でのワークショップや訪問が必要なケースでは、別途ご相談のうえ、交通費等を含めた形で個別に検討します。
6. ツール・技術スタックについて
既存ツールをどこまで変える必要があるか、セキュリティや IT-BCP とどう両立させるかといった質問です。
- いま使っているツールを大きく変える必要はありますか?
- いいえ。Fragment Practice では「できるだけツールを変えない」ことを前提にしています。 たとえば、Google Workspace / Microsoft 365 / Notion / Obsidian / Slack / Linear / Figma など、すでにお使いの環境の上に「構造」と「プロトコル」をかぶせていきます。どうしても不足する部分だけ、軽量な自動化ツール(Zapier / Make / n8n 等)や小さなスクリプトを組み合わせる、という順番で検討します。 新しいツールの導入が目的ではなく、「既にある Fragment(メモ・会議・ログ)をどう活かすか」が軸になります。
- セキュリティ面はどのように考えていますか?
- 代表は情報セキュリティや IT-BCP のプロジェクト経験もあり、「AI を使わない方がよい領域」や「記録を残さないほうが安全な情報」があることを前提に設計します。 プロジェクトの初期に、AI に渡す情報/渡さない情報の境界や、ログの保存方針(どこまで残すか、どこから削除・マスキングするか)を一緒に決めます。必要に応じて簡易ポリシーやガイドラインという形で整理し、IT 部門・セキュリティ部門とも対話しやすい言葉に翻訳してお渡しします。
7. Research & Writing について
研究・ZINE・共同執筆など、Research & Writing に関する質問です。詳細は /research-writing もご覧ください。
- Research は一般的な企業の調査と何が違いますか?
- Fragment Practice の Research は、「リサーチ」と「業務改善」を別々のものとしてではなく、同じ骨格の上で扱うことを重視しています。 観察ログ・小さな実験・対話の書き起こしを Fragment として蓄積し、それに対応する YAML / Scene / Flow を同時に書いていきます。つまり、「どの前提で・どんな設定のもと・どんな会話が行われたか」がテキストで再現できるようにするイメージです。 そのため、別のチームや文脈でも同じプロトコルを少し調整して試しやすくなり、単なる一度きりの調査レポートではなく、「次の実験につながる背骨」として機能します。
- ZINE とは何ですか?
- ZINE は、小さな冊子形式でまとめた研究ノートやケーススタディです。公開可能な範囲のログ・設定・考察をコンパクトにまとめ、同じテーマに関心のある人が再現しやすいように構造を開示するためのメディアだと捉えています。 クライアントワークの一部を匿名化して ZINE にすることもあれば、Fragment Practice 側からの単独の発行も行います。紙/PDF/スライドに近い感覚で、「Quiet Systems」の手触りを共有するための器です。
FAQ にない質問や、ケースごとの相談について
ここに載せている内容は、Fragment Practice の考え方や進め方の「ベースライン」です。 実際のプロジェクトでは、組織の事情やセキュリティ要件、家庭・健康・リズムなど、 About に書ききれていない前提も含めて一緒に設計していきます。
きれいに整理された要件でなくてかまいません。 頭の中の断片やモヤモヤ、「ここが重たいかもしれない」という仮説レベルからで大丈夫です。 守秘が必要な情報については、 Legal / プライバシーポリシーを前提に、NDA 等も含めて個別にご相談ください。